マギのクロゼミ
研究室 #Claude#Skills 公開 2026.04.25

Claude Skills の自作手順。SKILL.md 1枚で作る専用処理

Skills の自作は、思っているより素朴です。フォルダを1つ作って `SKILL.md` を1枚書くだけ。プログラミング言語も特別な知識もいりません。マギのクロゼミの記事執筆ルールを Skill 化する流れを実例に、最小構成からスタートして、起動しない原因の潰し方まで通しで見ていきます。

はじめに

Skills シリーズの最終章、自作編 です。前2本で、

を見てきました。今回は、いよいよ 自分専用の Skill を作る ところに進みます。

「自作」と聞くと身構える方が多いのですが、Skills の自作は HTML のページを1枚作るのと同じくらいの素朴さ です。プログラミング言語は要りませんし、特別な開発環境も要りません。Markdown が書ければ、その日のうちに最初の Skill が動きます。

本記事では、マギのクロゼミの記事執筆ルールを Skill 化する流れを例に、

  1. 最小構成(フォルダ + SKILL.md だけ)
  2. frontmatter の書き方
  3. 本文の書き方の原則
  4. 動かしてみる
  5. 起動しないときの直し方
  6. 関連ファイル(examples/references/)の足し方

の順で進めます。読み終わるころには、自分専用の Skill が手元で動いているはずです。

最小構成は「フォルダ1つ + ファイル1枚」

Skill を作るのに必要なものは、

  • フォルダ1つ
  • そのフォルダの中に SKILL.md というファイル1枚

これだけです。

~/.claude/skills/                   ← 全 Skill を置く場所(ユーザー全体用)
└── magi-article-writer/            ← Skill 1つ = フォルダ1つ
    └── SKILL.md                    ← 必須。本体

~/.claude/skills/ というフォルダはあなたの ホーム配下のClaude設定フォルダ にあります(macOS の場合 /Users/あなたの名前/.claude/skills/)。最初は存在しないことが多いので、なければ作って構いません。

CSS で例えるなら、これは /css/components/header.css を新規作成して <head> から読ませる のと同じくらいの作業量です。フォルダを作ってファイルを置くだけ、です。

ステップ・バイ・ステップで作ってみる

実例として、「マギのクロゼミの記事を書くときのルール」を Skill にする という設定で、いちから組み立てます。

Step 1. フォルダを作る

ターミナルで(あるいはエクスプローラ/Finder で)、~/.claude/skills/magi-article-writer/ というフォルダを作ります。

mkdir -p ~/.claude/skills/magi-article-writer

-p を付けると、途中の ~/.claude/skills/ がなくてもまとめて作ってくれます。

Step 2. SKILL.md を作る

そのフォルダの中に、SKILL.md という空のファイルを作ります。テキストエディタで普通に新規作成して、ファイル名を SKILL.md で保存するだけです。

Step 3. frontmatter を書く

SKILL.md の冒頭に、以下のような frontmatter(設定部分) を書きます。

---
name: magi-article-writer
description: マギのクロゼミ向けの新規記事を執筆する依頼が来たときに、口調・構成・避けたい表現のルールを適用する
---

--- で挟まれた3行が frontmatter で、ここが Claude にとっての「この Skill は何のためのものか」を伝える 索引カード になります。

Step 4. 本文を書く

frontmatter の下に、Skill が呼ばれたときに Claude が読む 本文 を書きます。

---
name: magi-article-writer
description: マギのクロゼミ向けの新規記事を執筆する依頼が来たときに、口調・構成・避けたい表現のルールを適用する
---

# マギのクロゼミ 記事執筆ルール

## 口調

- フォーマルな日本語、ですます調
- 「マギ」persona で書く(社長個人の名前は出さない)
- 絵文字は使わない
- 「〜と思われます」「〜でしょう」の曖昧表現は使わない

## 構成

1. はじめに(この記事の位置づけ・誰向けか)
2. 本論(h2 単位で 4〜6 章)
3. 「全部覚えなくていい」風の和らぎ段落
4. まとめ(番号付きリストで要点)
5. 次記事への誘導

## 避けたい表現

- 「破壊的操作」のような硬い専門語をそのまま使わない
  → 「元に戻せない操作」「取り返しのつかない操作」と言い換える
- 「驚くべき」「革新的」のような誇張表現を使わない
- 大げさな収益報告・誇大表現は書かない

これで Skill 1つの中身は完成です。プログラミングは1行も書いていません。

Step 5. 動かす

Claude Code を起動し直して、/help を打ってみてください。Skills の一覧に magi-article-writer が現れているはずです。

> /help

Built-in:
  ...

Skills:
  /magi-article-writer  マギのクロゼミ向けの新規記事を執筆する依頼が来たときに……
  /security-review      ...
  ...

これで、Claude に「マギのクロゼミの新しい記事を書いて」と依頼すると、この Skill の本文が自動的に参照される 状態になります。/magi-article-writer と明示的に呼んで動作確認するのが、最初は確実です。

frontmatter の書き方、3つの原則

frontmatter は「Skill が呼ばれるかどうか」を左右する最重要パーツです。書き方には3つだけ原則があります。

原則1. name は kebab-case の英語にする

name半角英字+ハイフン で書きます。magi-article-writerlp-coding-rulesweekly-report-template のように、意味のある英単語をハイフンで繋ぐ のが定石です。

スペースや日本語、アンダースコア、キャメルケースは避けたほうが無難です。これは /help で表示されるコマンド名(/magi-article-writer)にもなるので、毎日打って苦にならないか を判断軸にすると良いです。

原則2. description は「いつ使うか」を書く

description の役割は 「この Skill はどういう場面で使うべきか」を Claude に教える ことです。「何ができるか」だけでなく、「いつ Claude がこれを思い出すべきか」 を書くのがポイント。

良くない例良い例
記事を書く Skillマギのクロゼミ向けの新規記事を執筆する依頼が来たときに、口調・構成・避けたい表現のルールを適用する
LP 用LP(ランディングページ)案件のコーディングを依頼されたときに、BEM 命名規約・WebP 画像・フォームのラベルルールを適用する
セキュリティ確認コードに対してセキュリティ観点でのレビューを依頼されたとき、SQLインジェクションとXSSの観点で差分を逐行確認する

いつ呼ばれるべきか」が具体的に書いてあると、Claude が「いまの依頼に当てはまる」と判断しやすくなります。曖昧だと、自然言語で頼んでも発火しません。

原則3. 短すぎず、長すぎず

description1〜2文で収める のが目安です。短すぎると判断材料にならず、長すぎると逆に何の Skill かぼやけます。「いつ/何のために/何をする」の3点が簡潔に揃っていれば十分です。

本文の書き方、3つの原則

frontmatter の下にくる本文は、Skill が呼ばれたあとに Claude が読むメモ です。書き方の原則を3つだけ。

原則1. 命令形で具体的に書く

「〜してほしい」より「〜する」「〜しない」と 断定する ほうが、Claude の挙動がブレません。

ぼんやりはっきり
ですます調がいいかなですます調で書く。だ/である調は使わない
絵文字はあまり使わない絵文字は使わない
短めがいい1段落は3文以内に収める

原則2. 例(good)と反例(bad)をセットで載せる

Claude は 具体例から学ぶ のが得意です。「こうしてほしい」だけでなく、「こうするのは避けてほしい」も並べると、判断のブレがぐっと減ります。

## 言い換えのルール

「破壊的操作」のような硬い専門語は柔らかい言い換えに置き換える。

✅ よい例
- 「元に戻せない操作」「取り返しのつかない操作」

❌ 避ける例
- 「破壊的操作」
- 「Destructive operation」(英語そのまま)

WordPress テーマ制作で、ヘッダーのコーディング例を 「こう書いてほしい」と「こう書かないでほしい」 の両方で示すのに似ています。

原則3. プロジェクト固有の前提を全部書く

Claude は外部の文脈を知りません。「マギのクロゼミ」と言っても、「それは何のサイトか」「どういう読者層か」「現状どんな記事が公開されているか」を その場で全部教える必要 があります。

たとえば、

## 前提

マギのクロゼミは Claude × AI × Web制作の実体験メディア。
読者は Web 制作の経験はあるが、AI 系のツール/プログラミング全般には詳しくない方を想定。
専門用語を使うときは必ず平易な言葉で補足する。

というふうに、「Claude が知らない側」の情報を全部書き出す のが、ブレない Skill の条件です。

動かしてみて、思ったように動かないとき

Skill を作って Claude Code を起動し直しても、思ったように動かない ことはよくあります。原因の多くは次の3つに収束します。

症状1. /help にそもそも出てこない

保存場所か、ファイル名か、frontmatter のどれかが間違っている 可能性が高いです。チェックポイントは、

  • フォルダが ~/.claude/skills/<name>/ の階層になっているか
  • ファイル名が SKILL.md になっているか(小文字 skill.mdSkill.md ではない)
  • frontmatter の冒頭・末尾の --- がそれぞれ独立行で書かれているか

の3点。Claude Code を再起動 することも必要です。実行中のセッションは新しい Skill を読み込みません。

症状2. / から呼ぶと動くけど、自然言語で呼ぶと発火しない

description が曖昧な可能性が高いです。「いつ/何の依頼が来たときに使うか」を、より具体的に書き直してみてください。「記事を書く」より「マギのクロゼミ向けの新規記事を執筆する依頼が来たとき」と書くだけで、発火率は目に見えて上がります。

症状3. 呼ばれているのに、書かれているルールを守ってくれない

→ 本文が 抽象的すぎる か、他のルール(CLAUDE.md など)と矛盾している 可能性があります。

抽象的なときは「✅ よい例 / ❌ 避ける例」を本文に追記すると効きます。矛盾しているときは、CLAUDE.md と Skill のどちらが正解かを揃える必要があります。

関連ファイル:examples/references/

Skill のフォルダには、SKILL.md 以外にも 任意のファイル を置けます。よくある構成が、

magi-article-writer/
├── SKILL.md
├── examples/                       ← 参考になる過去記事を置く
│   ├── good-article-1.md
│   └── good-article-2.md
└── references/                     ← 補足ドキュメント
    ├── tone-of-voice.md
    └── word-list.md

この examples/references/ は、Claude が必要だと判断したときにだけ読まれる 関連物です。SKILL.md の本文に「実例は examples/ を見ろ」と書いておくと、Claude が「あ、参考が必要だ」と判断したときにだけ追加で読みに行きます。

容量的には大きくなっても、普段は索引(description)の数十文字しか読まれない という progressive disclosure の恩恵が効きます。「重い参考資料を抱えても、普段の動作は軽い」という設計が成立する場所です。

配置場所の使い分け(おさらい)

前回お伝えした3階層を、自作の文脈で整理し直すと、

階層場所自作で使う場面
User(個人)~/.claude/skills/<name>/自分の手癖(記事執筆、よく書くコンポーネント、毎週のレポート)
Project(案件)<案件フォルダ>/.claude/skills/<name>/その案件固有のコーディング規約、用語集、ブランドガイド

ということになります。「全プロジェクトで使い回したい知識は User、その案件でだけ使う知識は Project」 という分け方が、迷わない判断軸です。

「失敗してもいい」雰囲気で始める

Skills の自作は、最初の1個目を作ったときに「思ったより簡単だった」と感じる のが正解です。プログラミングは1行も書かず、Markdown の心地で書いて、保存して、Claude Code を再起動する。それだけ。

最初の Skill が動かなくても、SKILL.md を1行書き直して再起動すれば、すぐに違いが出ます。「動かなければ書き直す」を3〜4回繰り返すうちに、自分なりのコツがつかめてくる タイプの機能です。

私自身も、最初に作った Skill は description が曖昧で発火せず、何度か書き直しました。「いつ使うか を具体的に書く」というコツが体感でわかったのは、3個目を作ったあたりです。最初から完璧を狙わず、動くものをまず1個出して、そこから直していく のが、無理のない順序になります。

まとめ

Skills 自作の要点を整理します。

  1. 必要なのはフォルダ1つと SKILL.md 1枚だけ:プログラミング不要
  2. 置き場所は ~/.claude/skills/<name>/(User)か <案件>/.claude/skills/<name>/(Project)
  3. frontmatter の name は kebab-case の英語/help のコマンド名になる
  4. description は「いつ使うか」を具体的に:これが起動の鍵
  5. 本文は命令形で、例と反例をセットで、前提を全部書く
  6. 動かないときは:場所/ファイル名/frontmatter/再起動 を順に確認
  7. 関連ファイル(examples/references/)は必要時だけ読まれる:重くしても普段は軽い
  8. 最初は完璧を狙わず、動かして直す

これで Skills シリーズの3本(とは/使う/自作する)を読み終わりました。Claude Code が 「人が作ったツール」から「自分仕様のツール」に変わる 入口に立った状態になっているはずです。

次の記事「Claude Code の Plugins とは」では、Skills のさらに上位概念にあたる プラグイン を扱います。プラグインは「Skills と Slash Commands と Hooks と MCP をひと包みにして、他人にも配布できるようにする入れ物」です。続けて読むと、自分の Skills を 「公開して使ってもらう」 という新しい選択肢が見えてきます。

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