マギのクロゼミ
研究室 #Claude#SubAgent 公開 2026.04.29

Claude SubAgent 活用例。Explore・Plan・自作の入口

前回の概念編で SubAgent の正体をお伝えしました。今回は **実際にどう使うか**——Explore・Plan・general-purpose の依頼文の書き方、並列起動の指示、自作 SubAgent の最小構成、そしてマギのクロゼミ運用での実例まで、手を動かす側の話を通しで扱います。Step 3 シリーズの締めくくりにあたる1本です。

はじめに

前回の「Claude Code の SubAgent とは」で、SubAgent の正体——メイン会話とは別のコンテキストで走る独立した Claude——をお伝えしました。今回は実際の 活用編 です。

具体的には、

  1. Explore の活用例(コードベース調査の3パターン)
  2. Plan の活用例(実装設計の2パターン)
  3. general-purpose の活用例(自由形式タスク)
  4. 並列起動 の依頼の仕方
  5. 自作 SubAgent の最小構成
  6. マギのクロゼミ運用 での使いどころ
  7. 失敗パターン の整理

の順で進みます。「依頼文をどう書けば SubAgent が動くか」「結果をどう受け取って次の手に繋げるか」という、実務寄りの話に集中します。

本記事は Step 3「機能を使いこなす」の 最終回 にあたります。読み終わった時点で、

  • スラッシュコマンド/プロンプト記号/キーボードショートカット
  • Skills(とは/使う/自作)
  • Plugins(とは/インストール)
  • MCP(とは/使う/自作)
  • Hooks(とは/書き方)
  • SubAgent(とは/活用)

13 本 が一周することになります。Claude Code の主要機能をひと回り押さえた状態で、Step 4「プロンプト設計を学ぶ」に進める足場ができます。

Explore の活用例

Explore は コードベース調査の専門家 です。「対象範囲が広い/何個ファイルを読むか分からない」場面で効きます。

パターン 1:構造の把握

新しいプロジェクトを引き継いだとき、まず全体構造を掴みたい——という場面。

> Explore を使って、このプロジェクトのフォルダ構造とエントリーポイントを把握して

Explore はファイルツリーを覗き、package.json を読み、エントリーポイント(src/index.tssrc/pages/)を辿って、「こういう構造になっている」 という要約を返してきます。メイン Claude のコンテキストには 要約だけ が入るので、その後の実装相談がスッキリ進みます。

パターン 2:機能の所在調査

「このサイトで認証はどこで実装されている?」のような 機能ベースの調査

> Explore に「認証まわりの実装箇所」を調査してもらって。具体的には sign-in / sign-out / セッション管理がどのファイルにあるかを特定してほしい

Explore がキーワード検索(signInsignOutsession)と周辺ファイル読み込みを実行し、「認証は src/auth/index.ts に集約されており、JWT 方式、有効期限7日」 といった要約を返してきます。

パターン 3:パターン調査

「このコードベースで API エンドポイントはどう書く慣習になっている?」のような 書き方の傾向調査

> Explore で、API エンドポイントの実装パターンを3〜5例集めてほしい。書き方の共通点を抽出するため

これに対して Explore は、api/ 配下のファイルをいくつか読み、共通する構造(エラーハンドリングの書き方、レスポンスの形)を抽出して返してきます。新しいエンドポイントを追加するときの「前例どおりに書く」ための材料が手に入ります。

Explore を呼ぶときのコツ

Explore の呼び出しの 依頼文を具体的にする のがコツです。

ぼんやりはっきり
Explore でこのコード見てExplore で、Header コンポーネントのファイル位置と、ナビゲーション項目の定義場所を特定して
Explore で認証調べてExplore で、sign-in / sign-out / セッション管理のファイル位置と、使われているライブラリを調べて

「何を返してほしいか」までセットで頼む と、要約の質が目に見えて上がります。

Plan の活用例

Plan は 実装計画の設計 に特化したエージェントです。大きな変更の前に、進め方を読み合わせる用途に向いています。

パターン 1:機能追加の設計

「ヘッダーに検索機能を追加したい」のような 機能追加の前段 で、Plan に設計を出してもらいます。

> Plan を使って、ヘッダーに検索機能を追加する実装計画を出して。
> 既存の Header コンポーネントの構造を踏まえて、影響範囲・追加ファイル・修正箇所を洗い出してほしい

Plan は影響範囲の調査をした上で、

1. Header.astro に検索ボタンを追加
2. 検索 UI 用の新規コンポーネント SearchBox.astro を作成
3. 検索結果ページ /search.astro を新規作成
4. 検索インデックスは既存の Astro Content Collection を流用
影響ファイル:3ファイル新規、1ファイル修正

のような 設計図 を返してきます。これを読み合わせてから実装に入る、という二段構えで進めると、後戻りが大幅に減ります。

パターン 2:リファクタリングの設計

utils/ 配下を整理したい」のような 既存コードの再構造化 にも有効です。

> Plan で、utils/ 配下のリファクタ計画を出して。
> 現状の問題点と、推奨する分割方針、移行手順をセットで提示してほしい

Plan は現状を調査した上で、「utils/ は20ファイルあるが、実質3つのクラスタに分かれる。auth系/format系/validation系に分割するのが妥当。移行は3段階で」のような提案を返してきます。

Plan モード(キーボード)と SubAgent の Plan の違い

混同しやすいので念押し。

種別何か
Plan モード(Shift + Tab で切り替え)メイン Claude が「実行せず計画だけ返す」モード
Plan SubAgent別働隊として独立コンテキストで走る計画専門の Claude

両方とも「計画を出す」点は似ていますが、コンテキストが独立しているかどうか が決定的に違います。重い調査が伴う設計タスクは Plan SubAgent、軽い計画はモードで十分、と覚えると判断しやすいです。

general-purpose の活用例

general-purpose汎用枠 です。「Explore でも Plan でも収まらない、複数ステップが絡む長尺タスク」を投げる先になります。

> general-purpose で、最近1か月のコミットを git log で取得して、
> 機能別にカテゴライズして、月次サマリの Markdown を作って

このタスクは、

  1. git log を実行
  2. 結果をパース
  3. コミットメッセージから機能別に分類
  4. Markdown 形式で整形

の4段階が絡みます。これをメインで全部やるとコンテキストが膨らむので、general-purpose に投げて 完成した Markdown だけ 受け取るのが効率的です。

並列で走らせる

SubAgent の威力が最大化するのが 並列起動 です。「Explore を2つ同時に走らせる」依頼の書き方は、

> Explore を2つ並列で起動して、
> 1つ目は src/components/ の構造を、
> 2つ目は src/pages/ の構造を
> 調査してほしい。両方の結果を最後にまとめて報告してくれる?

メイン Claude が2つの Explore を 同時に 起動し、それぞれが独立に走り、両方の終了を待ってから 結果をまとめる、という動きになります。順番に1つずつやるより、調査時間が体感で半分になります。

1人の Claude にシリアルでやってもらう」から「複数の Claude にパラレルでやってもらう」への発想転換は、Step 3 の中でいちばん大きな伸びしろのひとつです。

自作 SubAgent の最小構成

自作の SubAgent は、Markdown ファイル1枚 で作れます。配置場所は、

~/.claude/agents/                   ← ユーザー全体用
└── code-reviewer.md

または、

<案件>/.claude/agents/              ← その案件の中だけ
└── client-reviewer.md

ファイルの中身は frontmatter + プロンプト本文の2階建てです。

---
name: code-reviewer
description: コードレビューに特化したサブエージェント。実装ファイルを渡されたとき、可読性・命名・型・エラーハンドリング・テスト容易性の観点でフィードバックを返す
tools: Read, Grep, Glob
model: sonnet
---

あなたはコードレビューに特化した Claude です。
渡されたファイルに対して、以下の5つの観点でフィードバックを返してください。

1. 可読性(命名・分割・コメント)
2. 型の妥当性
3. エラーハンドリング
4. テスト容易性
5. パフォーマンス上の懸念

指摘は具体的に、行番号とともに返してください。
良い点も1〜2個は必ず挙げてください。

frontmatter の各項目は、

項目役割
nameエージェントの識別名(kebab-case の英語)
descriptionどういう場面で使うか(自動起動の判定材料)
tools使えるツールを 絞る(カンマ区切り)
model使うモデル(opus / sonnet / haiku

特に tools で使えるツールを絞れる のが、Skills にはない強力な機能です。コードレビュー専用なら EditBash を渡さない、というふうに 誤動作を物理的に防げます

マギのクロゼミ運用での使いどころ

実際の運用での使いどころを、いくつか紹介しておきます。

用途 1:記事ネタの競合調査

新しいテーマで記事を書く前に、競合がどんな書き方をしているかを Explore に並列で調査してもらいます。

> Explore を3つ並列で、「Claude Code Plugins」のキーワードで上位 3 サイトを調査して。
> それぞれの構成・分量・カバーしているトピックをまとめてほしい

用途 2:図解の構成案

SVG 図解を作る前に、general-purpose に「読者が混乱しやすいポイント」を整理してもらってから図のレイアウトを決めます。

> general-purpose で、「MCP のサーバー/クライアント関係」を読者が誤解しやすいポイントを3つ挙げて、
> それを解消するための図解の構成案を出して

用途 3:執筆後のレビュー

書いた記事を、自作の article-reviewer SubAgent にレビューしてもらいます。

> article-reviewer で、いま書いた creating-custom-mcp-server.md を点検して

メイン会話を「記事を書く」モードのまま保ち、レビューだけを別働隊に投げる——この使い方は、長文執筆では本当に効きます。

失敗パターンと対処

SubAgent も慣れるまではつまずきがあります。よくあるパターンを潰しておきます。

失敗 1. 対象が分かっているのに SubAgent を起動してしまう

README.md を要約して」を SubAgent に投げるのは過剰です。メイン Claude で Read するほうが3倍速くて3倍安い。SubAgent は「対象が広い/何ファイル読むか分からない」ときの選択肢、と覚えておきましょう。

失敗 2. 文脈の引き継ぎを期待してしまう

SubAgent は 独立コンテキスト で動くので、「さっきの会話の続きで」のような暗黙の参照は通じません。SubAgent への指示には、必要な前提を全部書く 必要があります。

失敗 3. 自作 SubAgent の description が曖昧

Skills と同じく、description が曖昧だと自動起動しません。「いつ/何のために/何を返す」が明確に書かれているかを、定期的に見直してください。

失敗 4. ツール制限を厳しくしすぎて動かない

tools を絞りすぎて、SubAgent が必要な操作(Read など)を持っていない という罠。「コードレビュー」なら最低限 Read, Grep, Glob は必要、というふうに、最低限のセット を意識してください。

SubAgent を使い込むと変わる依頼の出し方

SubAgent を使い始めると、メイン Claude への依頼の出し方が変わってきます。

Before(SubAgent を知る前)After(SubAgent に慣れたあと)
このコードベースを調査して、ヘッダーをこう直してExplore で構造を調べて、その結果をもとにヘッダーを直して
utils/ をリファクタしてPlan で utils/ のリファクタ計画を出して、合意できたら実装して
競合サイト3つを調査して記事を書いてExplore を3つ並列で競合を調べて、それを材料に記事執筆して

重い仕事は別働隊に投げる」という発想が身につくと、メイン会話が 判断と承認の場 になり、実作業が SubAgent の手 に分散していきます。これが Claude Code の上級者の使い方の入口です。

まとめ

SubAgent 活用編の要点を整理します。

  1. Explore の3パターン:構造把握/機能の所在調査/パターン調査
  2. Plan の2パターン:機能追加の設計/リファクタリングの設計
  3. Plan モードと Plan SubAgent は別物:コンテキスト独立かどうかが違い
  4. general-purpose は汎用枠:複数ステップの長尺タスクの受け皿
  5. 並列起動は時短の鍵:「2つ並列で」の指示文で同時実行
  6. 自作は ~/.claude/agents/<name>.md 1枚から:frontmatter + プロンプト本文
  7. tools で使えるツールを絞れる:誤動作の物理的な防止
  8. model でモデル指定もできる:軽い仕事は haiku、難しい設計は opus
  9. 失敗パターン:対象明確なのに使う/文脈引き継ぎ期待/description 曖昧/tools 絞りすぎ
  10. 使い込むと「メイン Claude は判断と承認、SubAgent が実作業」 に変わる

Step 3 を読み終えて

これで Step 3「機能を使いこなす」の 全 13 本 が読み終わりました。3つのコマンド系(スラッシュ/記号/ショートカット)に始まり、Skills・Plugins・MCP・Hooks・SubAgent と、Claude Code の主要機能をひと回り押さえたことになります。

Step 3 を読み返してみると、機能ごとに 担当が違う ことが見えてくるはずです。

機能担当
コマンドClaude Code 本体への操作・依頼の効率化
SkillsClaude に新しい知識を持たせる
Plugins上記の機能群をまとめて配布する入れ物
MCPClaude を外の世界に繋ぐ
Hooks特定のタイミングで自動実行
SubAgentコンテキストを汚さず別働隊に任せる

いま自分が困っているのは、どの担当の仕事か」と問い直すと、選ぶべき機能が自然に決まる——この感覚が育ってくれば、Step 3 は十分に身についた状態です。

次は Step 4「プロンプト設計を学ぶ」 に進みます。Step 3 で覚えた機能群を どう使い分けるか の根っこにある、プロンプトの基本原則・CLAUDE.md の書き方・スタイルガイドの作り方 を扱います。Claude Code を「機能を知っている人」から「機能を引き出せる人」に育てる入口です。続けて読むと、Claude Code との毎日の対話の質が、また一段上がります。

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