マギのクロゼミ
応用 #Claude#コマンド 公開 2026.04.23

Claude Code の `@` `!` 記号入門。ファイル参照とシェル実行

依頼文の中に `@` を混ぜれば、見てほしいファイルをそのまま渡せます。`!` を打てば、シェルコマンドが直接走って結果が会話に取り込まれます。スラッシュコマンドが本体への命令だったのに対し、こちらは依頼文そのものを効率化する道具です。手数を減らす2つの近道を、順番に見ていきます。

はじめに

前の記事「スラッシュコマンド入門」では、/ から始まる Claude Code 本体への操作命令 を扱いました。今回はそのお隣、プロンプト記号 の話です。

おさらいとして、Step 3 で扱う「コマンド類」は3つの層に分かれます。

  1. スラッシュコマンド/):Claude Code 本体への操作命令
  2. プロンプト記号@ !):依頼文のなかで使う、入力を効率化する記号 ← この記事
  3. キーボードショートカット:流れを止める・モードを切り替える物理キー

スラッシュコマンドが「アプリへの操作」だとすると、プロンプト記号は 「Claude への依頼文を、ちょっとだけ早くする小道具」 です。たった2つしかありませんが、毎日のやり取りで使うので、一度覚えると元には戻れません。

プロンプト記号とは何か

プロンプト記号は、ふつうの依頼文に混ぜて使う 特別な記号のことです。

スラッシュコマンドとの違いを並べると、次のようになります。

種類相手使い方
スラッシュコマンドClaude Code(道具)/ から単独で打つ/clear
プロンプト記号Claude(AI)依頼文のなかに混ぜる@README.md を要約して

スラッシュコマンドが / を打って候補から選ぶ」 という独立した操作なのに対し、プロンプト記号は 「ふだんの依頼文に1〜2文字足すだけ」 で意味が変わります。日本語の文章のなかにそのまま混ぜて構いません。

ここから、@! をひとつずつ見ていきます。

@ — ファイルを直接渡す

入力欄で @ を打つと、いま開いているフォルダのファイル一覧 がそのまま候補としてポップアップ表示されます。

@src/com
        ↓ 候補が出てくる
        src/components/Header.astro
        src/components/Footer.astro
        src/components/PostCard.astro
        ...

矢印キーで選んで Enter、もしくはそのままパスを打ち込めば、そのファイルを「Claude に見せたいもの」として依頼文に埋め込める 仕組みです。

何が嬉しいのか

@ を使わなくても、Claude に「README.md を読んで要約して」と頼めばちゃんと動きます。ただ、その場合 Claude はこう動きます。

  1. 「README.md ですね、探します」
  2. ファイルをツールで読みに行く
  3. 中身を取得してから本題に入る

@ を使うと、この往復が消えます。最初から「これを見てね」と確定で渡している ので、Claude は探す手間なくいきなり要約に入れます。

具体例

たとえば、ヘッダーとフッターのコンポーネントを見比べて改善点を出してほしいとき。

@src/components/Header.astro と @src/components/Footer.astro
を見比べて、改善点を3つ教えてください

このように、1つの依頼文に複数の @ を混ぜる こともできます。日本語のあいだに @パス を埋め込んでいくイメージで使えるので、書き味は驚くほど自然です。

ディレクトリも渡せる

@ で渡せるのはファイルだけではありません。フォルダ単位 でも指定できます。

@src/components/ のなかから、フォーム関連のファイルだけ抜き出して

src/components/ を丸ごと渡すと、Claude はそのなかの構造を踏まえたうえで答えを返してくれます。「どこを見ればいいか」を Claude に判断させずに済む点が、@ の本当の価値です。

Web 制作者にとっての使いどころ

私自身がよく使う場面をいくつか挙げます。

場面書き方
既存ファイルを参考にして新しいファイルを作りたい@src/components/About.astro と同じ構成で Contact ページを作って
2つのファイルの差分を確認したい@old.css と @new.css の違いを表でまとめて
フォルダ全体を踏まえたうえで設計を相談したい@src/pages/ の構成を見て、Privacy ページの置き場を提案して

どれも「Claude に探させない」「最初から渡してしまう」という発想です。送り先が明確になっているメールほど早く返事が来る、と覚えるとイメージしやすいかもしれません。

! — シェルコマンドを直接走らせる

もうひとつの記号 ! は、毛色が違います。こちらは Claude を経由せずに、シェル(Bash)コマンドを直接そのまま実行する ためのものです。

入力欄の行頭に ! を打つと、その行は シェルモード として扱われます。Enter を押した瞬間、! の後ろに書いた内容がそのままターミナルで実行されます。

!ls
        ↓ Enter
        node_modules
        package.json
        public
        src
        ...

実行結果は Claude の会話の流れにそのまま取り込まれるので、続けて「いま見えてる構成のなかで src/ だけ詳しく説明して」と頼めば、Claude は出力結果を踏まえて答えてくれます。

「ls して」と頼むのとの違い

ここで気になるのは、Claude に「ls して」と頼んでも同じことができるのでは? という疑問だと思います。違いを整理しておきます。

やり方流れ体感
Claude に依頼(ls してClaude が「ls しますね」→ 実行確認 → 実行 → 結果を読む1〜2秒のやりとりが入る
! で直接実行(!lsその瞬間に実行・結果が会話に追加即時

機能としてはどちらも同じ結果になりますが、! のほうは「自分の手で打ったコマンドを Claude にも見せる」感覚 に近いものになります。Claude の判断を挟まずに自分が結果を確認したいとき、! のほうが気持ちよく流れます。

Tab で過去のコマンドを呼び出せる

! モードでは、Tab キーで過去に打ったシェルコマンドの履歴から補完 できます。同じコマンドを何度も打つ場面では、地味に効きます。

!npm run まで打って Tab を押せば、!npm run dev !npm run build といった候補がさっと出てくるイメージです。

モードから抜けたいとき

! を打って「やっぱりやめた」となる場面もあります。そのときは次のキーで抜けられます。

キー効果
Escシェルモードを離脱
Backspace! を消して通常入力へ戻る
Ctrl + U行を丸ごと消す

どれを使っても結果は同じなので、自分の手癖に合うものを覚えておけば十分です。

長く走るコマンドはバックグラウンドに回せる

ビルドや起動コマンドのように、すぐに終わらないものを ! で走らせたいときは、Ctrl + B でバックグラウンド実行に切り替えられます。!npm run dev のような開発サーバー起動を、ターミナルを止めずに走らせ続けたい場面で使います。

最初のうちはあまり気にしなくて大丈夫です。「重い処理は Ctrl + B で逃がせる」 とだけ頭の隅に置いておけば、必要になった日に思い出せます。

注意点はひとつだけ

!入力した瞬間に実行されます。Claude が「実行していいですか?」と確認してくれる経路を通らないので、危険なコマンドを ! のあとに書くと、そのまま走ります。

具体的には、ファイルを消す rm、強制的に上書きする > リダイレクト、Git の取り消し系コマンドなどです。確認を入れてほしい場面では、! ではなく Claude に依頼文として頼むほうが安全 です。「ls」「pwd」「cat」のような 見るだけのコマンド! で気軽に、書き換える側のコマンド は依頼文で——と使い分けると、事故が起きにくくなります。

使い分けの目安

ここまでの内容を、3つの選択肢の表に圧縮しておきます。

やりたいこと使うもの
手元のファイル・フォルダを Claude に見せたい@@README.md を要約して
すぐ実行したいシェルコマンドがある(見るだけ)!!ls
Claude に判断・実装・書き換えを任せたい記号なし(ふつうの依頼)Header に検索ボタンを追加して

迷ったときは、「相手が誰か」 で考えると判断が早まります。@Claude に渡すための名札!シェルへの直行便、記号なしの依頼文は Claude への相談。3つを混ぜて使えるようになると、毎日の入力欄がぐっと軽くなります。

まとめ

プロンプト記号の要点を整理します。

  1. プロンプト記号は依頼文のなかに混ぜて使う:スラッシュコマンドと違い、独立して打つものではない
  2. @ はファイル・フォルダを直接渡す道具:オートコンプリートで候補が出る。複数並べてもいい
  3. ! はシェルコマンドを直接走らせる道具:その瞬間に実行され、結果は会話に自動で取り込まれる
  4. ! を抜けたいときは EscBackspace:手癖に合うほうでよい
  5. 長く走るコマンドは Ctrl + B でバックグラウンド化:開発サーバー起動などで使う
  6. 書き換え系のコマンドは ! ではなく依頼文で:確認の経路を残しておくと事故が減る
  7. 使い分けの軸は「相手が誰か」:Claude に見せる(@)/シェルに直接(!)/Claude に相談する(記号なし)

次の記事「キーボードショートカットとモード」では、流れを止めたいとき、モードを切り替えたいときに使う物理キーをまとめます。スラッシュコマンドとプロンプト記号で「打つ命令」を覚えたら、最後に「打たずに済ませる近道」を押さえる——という流れです。続けて読むと、Claude Code の操作ひと回りが手に馴染みます。

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